重いのを持つと筋肉の意識が出来ない!?
Q:メルマガ読者様からの質問です。
「マシンフライ、ケーブルフライなど軽い重量を使う種目だと筋肉の意識ができるのですが、
高重量のベンチプレスなどだと筋肉の意識が甘くなります。
筋肉の意識が強い種目だけをやるべきでしょうか?」
といった内容の質問頂いております。
ご回答よろしくお願い致します。
A:はい。
まずですね、ウエイトトレーニングをやって筋肉を発達させるためには、筋肉意識、
「どこを使っているか」という意識はすごい重要になるんです。
ただ、(筋肉の意識が)強い種目じゃない種目、意識が強くできない種目は省いていいと言う訳では無いんですね。
簡単に、理由を説明しますと・・・
ウエイトを使ったダンベルベルとかバーベルを使った運動の種類としては、
「アイソレーション種目」っていうのと、「コンパウンド種目」っていうのがあるんですね。
言葉だけ聞くとちょっと難しそうな感じはするんですけど、大した難しい話じゃなくて。
「アイソレーション種目」っていうのは、例えば胸の筋肉を使うときに1コの関節しか使わない、肩しか使わないとか。
例えば、開いて閉じて、開いて閉じて、だと肩の関節しか動いてないので1個の関節しか使ってない
「アイソレーション種目」に入るわけですね。
それに対して「コンパウンド種目」っていうのはどういうことか。
関節を1コ以上使っている種目。
例えばベンチプレスだったら、肩の関節と肘の関節の2箇所関節を使って運動しているので「コンパウンド種目」に入るわけですね。
この「アイソレーション種目」1コの関節しか使わない種目と、
多関節、2コ以上の関節を使う「コンパウンド種目」。
これは、お互いにそれぞれどういうメリットがあって、どういう特徴があって、どういうデメリットがあるか、
を説明したいと思います。
まず1個の関節しか使わない種目。
これはですねやっぱり単関節、1コしか使わないだけあって、筋肉の意識はしやすいんですよ。
他の所に分散しないので。
例えば、ベンチプレスをやる時でしたら2コの関節を使うので、上腕三頭筋とか三角筋にも入るリスクがある。
ただフライとか、ケーブルクロスの様に単関節のアイソレーション種目ですと、
その関節しか使ってないので胸の筋肉を使いやすい。
まぁ、ちょっと肩の筋肉を使う可能性もありますけれども、明らかに2つの関節を使うよりは意識がしやすい。
そこで、単関節の種目のほうがいいんじゃないか ?
アイソレーション種目であるケイブルマシーンとか、フライだけやってればいいんじゃないか?
っていう考えが今回の疑問だと思うんですけど。
この場合ですね、1個の関節を使っているだけなので重い重量に対して、関節の負担が多くなったりとかして
なかなか重い重量を扱うことができないんですよね。
もちろん扱う重量が重ければ、ターゲットとなる筋肉に対する負荷が増えるわけではないんです。
速さとかも関係したりとか、角度によって筋肉を使えるか使えないかということも関係はしてくるんです。
だけど、やっぱり本当に10キロしか扱えないっていうのと、100キロを扱えるというのでは、負荷のかかり方が全然違ってくるわけですね。
例えば、ダンベルフライで100キロで出来る人ってはそうそういないと思うんです。
でも、ベンチプレス100キロ上げられる人は、何年かやってればいるわけですね。
そうするとやっぱり、強い刺激は入れやすいので、アイソレーション種目っていうのは意識はしやすいけど、強い重さは使えないっていうデメリットがあります。
それに対して、多関節を使うコンパンド種目、ベンチプレスだったりとかマシーンを使うプレス系ですね。
そういうものはやっぱり関節が多く使われるだけあって、重い重量を使えるんですけれども、各場所に分散してしまい易いので、意識がし辛い。
あともう一つですね。
高重量が扱える様なコンパウンド種目でも、高重量扱った時に意識がし辛いかったりするわけですね。
同じベンチプレスでも20キロ扱っているときは胸の意識がしっかり出来るんですけど、100キロ扱うと意識ができなくなるっていうパターンもあるわけです。
そしたら100キロ扱わない方がいいか?っていうことになっていくんですね。
これは、正確にやってコントロールしてもやっぱり軽い重量よりも重くなるとどうしても意識はし辛くなるんです。
ただそれが直接ダメなのか?っていうとそういうわけでもないんです。
なんでじゃあここは意識がし辛くなるかっていう、仕組みを説明すると。
人間っていうのは最大の脅威に対しての備えっていうのが、もともとの一番の原点なわけですね。
そうすると、高重量扱うと落っことして死んだりするかどうか?っていうことが一番の脅威になるわけです。
そうなってくると、どこに神経が行くかというと、安定させることに神経が行くので筋肉の使ってる場所の刺激自体が神経としては2番目の重要なポイントになってくる。
すると、やっぱり安定させるために神経を使う分だけ、意識は弱くなっていきます。
ただこれは意識の問題だけであって、刺激として入ってないかと言うと、そういう訳では無いんですね。
例えば、交通事故に遭ったときにバカーって切れてても痛く感じない。
それはもうドキドキしてるから(笑)
痛さが分からなかったりするけど、怪我の深さは変わらないわけですよね。
ですから、ベンチプレスを100キロでやってて強い刺激が入っている。
刺激自体は変わらないけど、安定させなきゃいけないっていう神経のほうが強く働いていて、
筋肉の神経が2番目にきてるので甘く感じるだけであって、筋肉の刺激が弱いというわけではないので、
結果としてそれが悪いわけではないんですね。
強い刺激を入れられるっていうのは、筋肉にとってすごい重要なのでケーブルマシンのように
意識ができなくても実際には強い刺激を受けている。
ですから、それぞれ必要な種目になってくるわけです。
一番良いのはですね、まず筋肉が疲れてなくてフレッシュな時に高重量を扱える
コンパウンド種目、関節を2コ以上使うような、プレス系の種目ですね。
ベンチプレスだったりとか、マシンプレスだったりとかを最初に持って来る。
その後に重量を軽くしてパンプアップ。
今度は膨らませて、容量を大きくすることによって筋肉の発達促進する方向に持ってくる。
パンプアップ種目としてアイソレーションの単関節を使うのがベーシックに良いっていうパターンになりますね。
ただこれを毎回そのまんまやればいいかというと、入れ替えることによって刺激が変わったりするので
毎回固定しなきゃいけないっていうわけではないです。
ただベーシックとして考えるとその組み立て方がいいというのと、
あとは「意識ができないから省いていい」とか「意識ができないから効果がない」
っていうわけでは無いっていうことも頭においといてあげるといいですね。
Q:アイソレーション種目をやった後に、コンパウンド種目をやったら意識はちょっと高まりやすいとかはありますか?
A:これはですね、事前疲労って言います。
最初に使う筋肉は、意識しやすい筋肉をアイソレーション種目で使ってあげて、その後プレスをやることによって意識はし易くなります。
ただ、このメリットデメリットを言いますと、やっぱり先にちょっと疲れてしまうので
高重量が扱えなくなるというデメリットがあります。
これに向いている人は本当に胸の意識が全然できない人であればさっきの事前疲労は結構有効なんです。
けれど、ある程度ベンチプレスで意識ができる人は事前疲労がない方が効果は出せますね。
ただ、先ほど言ったように入れ替える事によって刺激が変わるので、そういった意味では意識ができる人もたまに取り入れてあげていいと思いますね。